Point
有限会社 仁企画 猿山 康継(サヤマ ヤスツグ)
○時価主義の賃金制度の第1回目 「昇給」
「昇給」ではなく「基本給」等の主要な給与部分そのものを見直すルールです。
昇給額で、プラス・マイナスすると言っても昨今の昇給原資ではできる範囲がしれています。
もともとの基本給はどうでしょう。彼の仕事の成果や能力にみあったものになっていますか?
高値安定型になっていませんか?
一方で、若いバリバリの彼は、入社暦が浅いので、安くてがまんしてませんか?
成果や能力を勘案して、きちんと社内の序列付けをしましょう。
役員や管理者の納得の行く序列づけをしたら、それと給料(基本給)とを比較してみましょう。
序列が低いのに基本給の高い人、その逆の人、これらを上手に調整をしたいものです。
(人事考課のより良い方法については、後日お話します)
「指標額」を決めましょう。序列と基本給と比べて、おおむね現れる傾向はありますか?
序列(人事考課の得点)を横軸に、基本給を縦軸に、グラフにして、各人の基本給の額をドットで書き込んでみてください。
基本給の分布の最大公約数のような直線を引いてください。右上がりの線でなくてはなりません。
分布がそうなっていなかったら、その会社はよっぽど問題の多い基本給体系です。意図的に少し現状より右上がりの線を引きましょう。書けたらその直線を4万円ほど上に平行線を引いてください。
これが「指標額」になります。(現実には、資格別にしたり、仕事別にしたり指標額は何本か作ります)
「昇給」でなく「見直し」するには、各人の基本給と「指標額」との差額に着目します。
各人の人事考課得点に対応する「指標額」と、各人の基本給との差額を計算し、その差の10%をはじいてください。
平均4000円の昇給原資がある時の調整額になります。
この方法は、優秀で基本給の低い人には大きな調整額、逆に基本給が高いが成績が良くない人は、限りなくゼロか、もしくはマイナスの調整になります。
これが、「時価主義の賃金制度」で、特に「指標額方式」と言っています。
尚、10%を調整に使うのは導入時のみで、以降は原資によって、この10%を変動させます。
「指標額」は3〜5年間固定しておきます。
以上
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