Point

有限会社 仁企画  猿山 康継(サヤマ ヤスツグ)

○時価主義の賃金制度の第2回目 「手当」

「シンプルな手当」についてお話します。


手当には、「仕事に密着した手当」として、公的な資格を保有していることに対する手当、管理職の手当、外勤または営業手当、現場の環境に対して配慮する手当、能力に対応した何らかの手当、単身赴任の手当、等々があります。 一方で、家族手当、住宅手当、食事手当、物価手当、等、仕事とは関係ない手当があります。これらは「属人的手当」と呼びます。 さらには、皆勤手当等で、出勤奨励のための手当もあります。


給与は、「仕事や業績に基づくもの」に少しでも近づけたいものです。 そのためには、「属人的な手当」はなるべく廃止して「シンプルな手当」にしましょう。 ただし、条件さえ適法なら時間外手当のベースに入れなくても良い、家族手当と住宅手当については、まだ廃止しなくても良いでしょう。 皆勤手当は、会社の現状をよく調べ、仕事についての意識を高めることができるようなら、廃止しましょう。 次の段階にしてもいいでしょう。


廃止するのは簡単です。前回お話した「時価主義の賃金制度」「指標額方式」を採用すれば、廃止する手当の金額は、ひとまず基本給に包含し、固定的な給与の総額が変化しないようにします。


たとえば、基本給に食事手当が入ったら、基本給がアンバランスになるではないか?そうです、当面はそうなります。 しかし、毎年の人事考課結果による「調整」が機能することにより、食事手当が大きく加算された基本給にはブレーキが働き、食事手当の入らなかった基本給は、プラス方向の調整が機能します。 結果として徐々に修正されて行きます。


以上

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