Point

有限会社 仁企画  猿山 康継(サヤマ ヤスツグ)

○時価主義の賃金制度の第4回目 「賞与」

「賞与」についてお話します。


御社の賞与はおおむね、年間3カ月位ですか?4カ月位ですか? 直接人件費の中で大変大きなウェイトを占めるのが一般的にはこの賞与です。


100人の社員がいて平均25万円の月給だとすれば、 年間3億円、さらに賞与を2カ月とすれば5000万円、3カ月で7500万円、4カ月なら1億円にもなります。

よく昇給をしぶる経営者がおられますが、 昇給2%で、先の会社なら、年間3カ月の賞与を出すとして、15カ月×25万円×2%×100人=750万円、 賞与3カ月をもし2.9カ月に減らしたら、チャラです。

昇給はそこそこ実施し、賞与はしっかりとコントロールするのが、人件費のコントロールには重要な視点です。

社員から見ると、不思議なことに、昇給の1%の変動はとても大きなものに感じますが、 賞与は会社の業績にも影響受けるので、0.5カ月位の変動は許容できます。 この感覚を大事にしたいものです。


賞与の計算では、できれば基本給をベースにするのをやめたいものです。 「時価主義の賃金制度」の考えでは、賞与は会社の業績で「原資を定め」、個々人の、もしくはチーム等の業績で配分を考えるような仕組を推奨します。

急には制度変更が難しいとすれば、賞与の原資の半分は基本給比例で配分することとし、残りは人事考課の結果により配分する方式にしましょう。


@賞与原資の50%=基本給比例にて配分

基本給の総額で原資の50%を割ると、基本給比例の月数が出ます。
この月数で一律に配分することでOKです。


A賞与原資の50%=人事考課により配分

人事考課の結果にそってあらかじめ配分率を決めておきましょう。
例えば、係長で人事考課が80点なら500、70点なら463、社員で人事考課が60点なら430、50点なら395、等々。

資格や役職でグレード分けをした配分率を表にしておき、人事考課の結果から自動的に各人の配分率を計算して、全員の合計を集計します。
賞与原資の50%をこの配分率の合計で割れば、配分率1あたりの金額がでます。
各個人は、自分の人事考課結果による配分率に、この単価を掛算すれば、計算は簡単です。


この方法なら、先ず最初に原資を決めることで、人事考課は別途決まっていれば、あとは自動的に配分ができます。


以上

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